代表者インタビュー2

本日はよろしくお願いいたします。大阪商標活用支援センターの業務の特徴はどのようなところにあるのでしょうか
ほとんどの弁理士事務所は権利を取得することをゴールに設定し、いかに早く確実に権利を取るかを重視しています。しかし、当センターでは権利の取得はあくまで通過点に過ぎず、その先のビジネスの成功が最大の目標だと位置づけています。そのため、商標出願にあたっては、お客様が将来どのような事業をされようとしているのかを出来る限り丁寧に洗い出し、そのために必要な商品・サービスをできる限りすべて網羅するよう権利の取得範囲を丁寧に組み上げています。もちろん、取得できる商品等コードの数は限定されていますし、先行商標との衝突状況もコード毎に異なりますので、類似先行商標が抑えている分野もふまえながら、権利の取得可能性を1つ1つ精緻に調べ上げ、取得する権利範囲のご提案を行っています。
権利化で終わらずその先を見据えてかなり先のことまで考えながら対応されているのですね
商標出願は早い者勝ちであるため、どうしても「まず出願」ありきで、どのようなビジネス展開をするかは権利を取ってから考えよう、という方もおられます。しかし、権利を取ってから考えるのでは、結局自身がやりたいことに権利を活用できないこともよく起きがちで、これでは費用が無駄になってしまいます。そこで当センターでは、出願段階でしっかりお客様の展開しようとするビジネスの内容を精査し、また、中核的なビジネスの内容だけでなく、そこから将来派生する可能性のある範囲まで、出来る限り広くビジネスを俯瞰します。そうすることで、将来必要となる範囲まで広く無駄なく権利を取得することを心がけています。もちろん、商標出願は早い者勝ちであるため、このステップだけで何週間も時間をかけることはいたしませんが、お客様のお話を聞いてこれを要約するだけの仕事ではなく、お客様との対話を通じて出来る限り広く、将来のビジネス像を引き出すよう心がけています。

それでこの出願手数料(1件55,000円)、かなりのお値打ち価格ですね

はい、出願業務だけで終わるとっはっきり赤字です(笑)。ただ、商標出願手数料の相場を考えるとこれ以上高く設定するのは難しく、だからといって金額相応の時間しか働かないという無責任な業務は行いたくないため、ここは半ば自分のポリシーとして、出願業務に関しては丁寧に時間をかけて少しでもお客様の将来のビジネスの成功につながるようサービスを提供させていただいております。出願業務だけでご縁がきれてしまうと明確に赤字ではありますが、幸いなことにほとんどのお客様がその後も当センターをご利用され、長いお付き合いをさせていただいております。出願後の中間処理や事業化のご相談対応業務の品質を高めるためにも、入口なる出願範囲の設定を精緻に組み上げることは不可欠で、採算度外視でここは徹底していますし、ここで手を抜かないことが当センターの提供する業務全体の品質に関わってくることだと認識しています。

最近では出願手数料1万円の事務所や完全成功報酬の事務所もありますが、そうした事務所との違いはどこにありますか

最近では生成AIの活用などにより、弁理士業務の効率化が急速に進んでいます。ウェブサイト上で欲しい商標とざっくりとした権利範囲を指定すれば自動的にほとんどの処理を機械が行い、弁理士はそのアウトプットをチェックして特許庁に送るだけ、という事務所もあります。出願手数料を安くしている事務所はこのようにAIやpythonなどのプログラミング技術を駆使して人である弁理士が関わる業務を最小化しているため、人件費である出願手数料を安くできたり、あるいは、先行商標の調査を自動処理することにより確実に権利を取れる範囲をスムーズに洗い出せるため、完全成功報酬とすることができるのだと思います。

AIを活用した商標出願業務の効率化について教えてください
お客様の展開しようとするビジネス内容がまだぼんやりとしたイメージであったとしても、関連するキーワードなどを入れて生成AIに放り込むと、自動的に取得が推奨される商品・サービスを提案してくれます。また、先行商標の調査に関してはpythonを活用したスクレイピングが有効で、そのpythonのコードも生成AIに書かせることで、人のスキルや時間を要することなく、自動的にどのような先行商標があり、どの分野が被っているかを調査することができます。あとは、生成AIが提案した商品・サービスのうち、先行商標と被っていないもののみを抽出して出願すればストレートで権利取得できる可能性は高くなります。このように、弁理士の関与する時間を最小化し、中間処理を要することなくストレートで権利を取れるのであれば弁理士費用も特許庁の費用も少なくて済み、お客様としては安く権利を取得することができます。

大阪商標活用支援センターもAIは活用されてますね

はい、私も生成AIやpythonは業務効率化のために活用しています。ただし、生成AIに関してはハルシネーションの問題があるため、そのアウトプットをそのままお客様に提案したり、特許庁に提出するというようなことはしていません。生成AIを活用したとしても、最終的に外に出す内容は必ず自身で確認し、責任を持たなければなりません。そのため、当センターでは自身でわからないことを生成AIに聞くようなことは一切していません。あくまで自身でできる仕事だけれども手間や時間がかかる仕事を生成AIにお願いし、人の手間を減らすことで労働生産性を高めるために活用するものだと位置づけています。それは、出願業務だけに限らず、中間処理や事業化のご相談、さらには弁護士や公認会計士など他の資格に基づく仕事にもすべて一貫して同様に考えています。生成AIに仕事を任せると一見楽ですが、生成AIのアウトプットには意外におかしな内容がたくさん含まれがちで、それらを逐一すべてチェックしてると逆に非効率となる可能性も高まってしまいますので、あくまで自分がきちんとアウトプットをイメージできている仕事のみ任せることが多いです。

AIはあくまでアシスタントで、出願業務の根幹は人間がされているということでしょうか

特に当センターで強調している出願段階での権利範囲の設計はまだまだAIには難しい内容だと思います。当センターの提供する業務は出願からビジネス化まで人間が1つ1つ経験則や最新の情報に照らして考えながら組み立てなければならないものが多いため、生成AIは人の仕事の時短のツールとしては活用するものの、お客様や特許庁、ビジネスパートナーなどに提出する書類の内容は人の手でしっかり作りこんでいます。休日などにAIの活用に関する学習は進めていますが、同時に最新のビジネスの動向など、コンサルティングの品質向上に関わる情報入手も余念なく行い、提案内容の品質を少しでも向上させられるよう心がけています。AIを活用して安くすることは当センターでもできるのですが、むしろ逆で、当センターではAIに挑戦し、人による高い品質の業務提供を強く意識しています。

AIへの挑戦ですか?もっと具体的に教えてください

はい。先ほどご説明しましたとおり、先行商標内容を自動調査して、バッティングする範囲を回避して出願すれば、早く安く権利を取得できる可能性は高まります。しかし、その回避した分野は本当にビジネスに不要なのでしょうか。そこがビジネスに必要な範囲であれば、権利者からライセンスを受けたり、不使用取消請求をしたり、拒絶理由通知に対して反論するなどして、徹底的に取りに行くべきだと思います。当センターではお客様の展開しようとするビジネスにおいて、それぞれの商品・サービスがどの程度必要なのかを精緻に確認し、必要性の高い分野は少しでも確率の高い手法で取りに行くことを推奨しています。これは、AIからは引き出すことはできません。権利の取得できそうなところだけ確実にとることをゴールにするならAIの活用は有効ですが、ゴールをビジネスの成功に置くのであれば、AIに依存せず、人の頭で徹底的に考え抜くことが必要だと考えています。

なるほど、商標権の内容を具体的なビジネス展開に適合させるためには、人が丁寧に1つ1つチェックしながら進めることが必要だということですね

ビジネスは日々刻々と変化しています。昨日有効だった手法が明日はもう時代遅れになっていることもあります。生成AIはオンラインで過去情報をうまく拾い上げてくることが得意ですが、現在の、そして、お客様がビジネス展開する将来の内容はオンライン上には落ちておらず、そのため生成AIのアウトプットは有効な参照情報ですが、これを鵜呑みにするのは非常に危険です。そのため、商標権をどの範囲でとるかを検討するにあたっては、ビジネスについて最新情報を丁寧に調査し、経営や財務などの知見もある専門家が1つ1つ丁寧に精査していくしか、サービス品質を向上させる方法はないのではないかと思い、この点は日々強く意識して活動しています。

杉本さんは経営の資格もお持ちですが、そうした資格も活用されているのですか?

中小企業診断士とMBAそれにITストラテジストもですが、その資格単体で業務に従事するというよりは、弁理士業務や弁護士業務の品質を高めるために活用しています。京都大学経営管理大学院では知的財産よりもより広い知的資産の経営への活用を研究し、スタートアップやM&Aにおける活用例や価値創造メカニズムを学びました。中小企業診断士業務では、資源の限られた中小企業がどこにポイントを絞って資源を投入し、競合他社と競り合うか、様々なケースに触れ、あるいは様々な専門家と意見交換する機会を得てきました。こうした活動から、お客様がどのようなビジネスを展開しようとしているのか的確に把握し、そこに将来付加できそうな内容や、将来ぶつかりそうな壁を想定して、1歩先を見たコンサルティングを心がけています。

最後に、相談を検討されている方にひと言お願いします

当センターでは購入してから使い勝手のわからず持て余すものの購入は進めておりません。支払った対価以上に価値を発揮する権利の取得を常に心がけています。そのためには、出願前にある程度詳細に将来のビジネスのイメージを持つ必要がありますし、中間処理や先行権利者との交渉を躊躇してはならない場面もあります。すべてはお客様のビジネスの成功のために、精一杯貢献させていただきますので、ぜひ、お気軽に当センターをご活用ください。
ありがとうございました。
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